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MM型とMC型カートリッジの違い|出力・針交換・必要な機材で比較【2026年版】

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木村 拓也 | レコード収集歴15年
MM型とMC型カートリッジの違い|出力・針交換・必要な機材で比較【2026年版】

MM型とMC型の最大の違いは、針を自分で交換できるかどうかと、必要なフォノイコライザーの種類です。 MM型は針だけを差し替えられて出力も大きく、一般的なフォノイコライザーにそのままつながります。MC型は出力が小さいため昇圧機器が必要で、針の交換もメーカー送りになります。

MM型・MC型カートリッジとは、レコードの溝の振動を電気信号に変える発電方式の違いによる分類で、MM(Moving Magnet)は磁石が動き、MC(Moving Coil)はコイルが動く構造です。

比較項目MM型MC型
動く部品磁石コイル
出力電圧の目安約3〜5mV約0.2〜0.5mV
フォノイコライザーMM対応でそのまま使えるMC対応または昇圧トランスが必要
針のみ交換できる基本できない(メーカー再生)
価格帯の目安¥5,000〜30,000¥30,000〜
向く人初心者〜中級者、機器を増やしたくない人音質を追い込みたい人

なぜ「針交換できるか」が最大の差になるのか

MM型は、針(スタイラス)の先に小さな磁石が付いた構造です。磁石ごと針を引き抜けるため、摩耗したら針だけを差し替えれば元の性能に戻ります。同じシリーズ内で上位の針に変えれば、カートリッジ本体はそのままで音質を上げることもできます。

MC型はコイルがカートリッジ本体の内部に組み込まれており、針だけを取り外す構造になっていません。摩耗した場合は**メーカーに送って本体ごと交換・再生(リビルド)**するのが基本で、費用も期間もかかります。

つまり、ランニングコストと手間で見るとMM型が圧倒的に扱いやすく、MC型は「音質のために手間とコストを引き受ける」選択になります。


出力電圧の違いが機材選びを決める

MM型の出力は約3〜5mV、MC型は約0.2〜0.5mVで、10倍前後の差があります。

この差は「音が小さい」だけの問題では終わりません。MC型の微弱な信号をそのままMM用フォノイコライザーに入れると、音量が足りずノイズも目立ちます。そのため次のいずれかが必要になります。

対応方法内容
MC対応フォノイコライザーMC入力を備えたフォノイコを使う
昇圧トランス(MCトランス)MC出力をMMレベルまで持ち上げてからMM入力へ
ヘッドアンプ電子回路で増幅してからMM入力へ

レコードプレーヤー内蔵のフォノイコライザーは、ほぼすべてMM専用です。 内蔵フォノイコで使えるのはMM型のみと考えてください。MC型を使うなら、外付け機器の追加が前提になります。

初めてのカートリッジ交換でMC型を選ぶと、「音が小さい」「片方しか鳴らない」といったトラブルの多くがこの点に起因します。


VM型・MP型はどちらに入るのか

カタログでは「VM型」「MP型」という表記も見かけます。これらはMM型の一種で、メーカーごとの方式名です。

表記メーカー分類
VM型Audio-TechnicaMM型(デュアルマグネット方式)
MP型NagaokaMM型(磁性体を用いる方式)
MM型一般名称MM型
MC型一般名称MC型

VM型・MP型と書かれていればMM型と同じ扱いで問題ありません。 内蔵フォノイコライザーにそのままつながり、針だけの交換もできます。


どちらを選ぶべきか

MM型を選ぶべき人

  • レコードプレーヤーの内蔵フォノイコライザーを使っている
  • 追加の機材を増やしたくない
  • 針を自分で交換してコストを抑えたい
  • 初めてカートリッジを交換する

大半のケースでMM型が正解です。特にプレーヤー内蔵フォノイコを使っている場合、MC型はそもそも接続できません

代表的な選択肢は、Audio-TechnicaのVM95シリーズ(針だけで段階的にアップグレードできる)と、NagaokaのMP-110(国産の定番)です。

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MC型を検討してよい人

  • MC対応フォノイコライザーまたは昇圧トランスを持っている(または導入予定)
  • カートリッジ単体に¥30,000以上かけられる
  • 針交換がメーカー送りになることを許容できる
  • すでにMM型を使い込み、その先を求めている

MC型は「次のステップ」の選択肢です。 最初の1本には向きません。

中間の選択肢:MM型の上位針

MM型のまま音質を上げる方法もあります。VM95シリーズなら、カートリッジ本体はそのままで針だけを上位グレードに交換できます。

針先形状特性
丸針(接合丸針)標準。安価で扱いやすい
楕円針溝への追従性が上がり高域の情報量が増える
マイクロライン針接触面積が広く高解像度。針寿命も長め
シバタ針最上位クラス。78rpm対応品もある

MC型に移る前に、まずMM型の上位針を試すのが費用対効果の高い順序です。

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交換前に確認すること

カートリッジを買う前に、次の3点を必ず確認してください。

確認項目理由
プレーヤーがカートリッジ交換に対応しているかエントリー機は一体型で針のみ交換の場合がある
フォノイコライザーがMM/MCどちらに対応しているかMC型は内蔵フォノイコでは使えない
取り付け方式(ヘッドシェル/T4P等)規格が合わないと物理的に装着できない

エントリー機の多くはカートリッジが本体一体型で、交換できるのは針だけです。たとえばAT-LP60Xシリーズは針(ATN3600L系)のみの交換になります。詳細はAT-LP60Xスペック分析で解説しています。

よくある質問

Q. MM型とMC型の違いを一言でいうと?

A. MM型は磁石が動く方式で出力が大きく針だけ交換できます。MC型はコイルが動く方式で出力が小さく、昇圧機器が必要で針だけの交換もできません。

Q. MC型のほうが音がいいのですか?

A. 一般にMC型は微細な信号の再現性で有利とされますが、必要な機材と価格帯が上がります。同じ予算ならMM型の上位針のほうが良い結果になることも多く、機材構成込みで判断すべきです。

Q. 内蔵フォノイコライザーでMC型は使えますか?

A. 使えません。プレーヤー内蔵のフォノイコライザーはほぼすべてMM専用です。MC型を使うにはMC対応フォノイコライザー、昇圧トランス、ヘッドアンプのいずれかが必要になります。

Q. VM型はMM型とMC型のどちらですか?

A. MM型です。VM型はAudio-Technicaのデュアルマグネット方式の呼称で、扱いはMM型と同じです。NagaokaのMP型も同様にMM型に分類されます。

Q. MM型の出力電圧はどのくらいですか?

A. 一般的に約3〜5mVです。MC型は約0.2〜0.5mVで、10倍前後の差があります。この差がフォノイコライザー選びを左右します。

Q. 初めての交換ならどちらを選ぶべき?

A. MM型です。追加機材が不要で、針だけの交換で維持でき、失敗しても損失が小さく済みます。MC型は機材が揃ってから検討する選択肢です。


カートリッジの具体的なモデル比較はレコード針・カートリッジおすすめ、交換の手順はレコードプレーヤーの針交換ガイドで解説しています。プレーヤー本体の選び方はレコードプレーヤーおすすめランキング、音質重視の機種は高音質レコードプレーヤーおすすめを参照してください。

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